身に覚え

unboy2006-01-25

オウムもライブドアも同じ教育病理から生まれていると思うと、二つの事件が身にしみる。我が家も二人の男の子は進学校に行った。家庭の指導があれば大丈夫だとは思っていたが、やはり大学受験が自己目的化するなかで多くの子供たちは競争に勝つことだけに意識を集中してゆく。結論を先に言ってしまえば、株を100に分けてでも勝ち抜けと教えていたのは我々に違いない。
僕は今モノつくりをしているが、役に立ったのは中学校の技術課程で旋盤を回したり溶接をならったこと。大学時代に日本画の師匠について半年修行をしたこと。清水焼の絵付けをずっとしていたことなどである。しかしそのままゲーム環境にどっぷり浸って法学部など(最初は考えていた)を出ていたら、今のような複雑な人間に(よいかどうかわからない;;)育っていたかどうか確証が無い。
進学校には受験の邪魔になる技術家庭も美術も無い(よほど余裕のある天才をかかえていたらあるかも)。そして伝えるジャーナリズムも裁く人々も、ほとんどすべてがこの戦争に勝った勝者によって営まれている。300万生活を説く経済評論家の年収が2000万であるとか、コメンテーターに出てくる有名な人々も同じようなものだろう。そして我々もである。社会をリードする人間に人間力をつけることをずっと怠ってきたのが今起こっていることの深層にあると感じる。
誰も無実にはなれないとしたら、医療の現場や官僚になるべき人々に人間としての文化や素養を養うカリキュラムを導入すべきではないか?彼らが美術や技術を免罪?されるのは明らかにオカシイ。同じ進学熱に犯される韓国もいずれ追随するとは思うが、大きな違いは彼らは仮想現実からリアルな世界(兵役)を通過する危険な安全弁を持っているからではないか。戦争ではなく図画工作(この言葉が好きだ)人間をせっせと創る。