ワイマール

unboy2005-08-15

の早朝ニーチェの生家を訪ねたことを思い出して、新幹線のなかでアンチクリストの口語訳を買って読んだ。発狂する直前に書かれたものとのことだが、昔から彼のパンクな思想に惹かれて代表作は読んでいたものの、これはやりすごして読んでなかった。しかし口語訳にするとこうも違うのかと驚く。ほんとにそこらの蘊蓄オヤジが横で喋っているようで相当ガッカリする。しかしなぜがっかりしたのかと思い出してみると、ニーチェや哲学に過大な期待と畏怖の念を持ちたくて仕方の無い僕がいるからだ・・。とかく人間は権威に弱い、僕だってそうだ。ニーチェが今生きて関西人やったとしても、桃谷の焼肉屋にいたり、ヨドバシでデジカメを探してるなんてことは絶対に許せないとこっそり思っているに違いない。
それはさておき、よくもまあヨーロッパ社会でここまでキリスト教をボロクソに言えるものだと感心。時代が時代なら火あぶりものだと思いながら、ニーチェの時代より今のほうが、人々の発言に種々のバイアスが強く働いているという危惧を感じる。イスラムとキリストの関係も、中国の反日運動に単純に呼応してしまう日本の民族主義も、911のあとに出たアメリカの単純さや明快さを好む勧善懲悪菌が世界に蔓延しはじめているのではないだろうか。
ニーチェが生きてたら今の世界をどう見るのだろう・・