台風一過

水没したレンガ工場

とはいかないけれどすっかり涼しくなって気持ちいい夕暮れです。幸い被害もたいしたことはなく大雨の午後は格好の読書タイムになりました。最近は大きな台風はすっかり来なくなってしまいましたが、僕が子供の頃はけっこう凄い台風がやってきたことを思い出します。第二室戸とか伊勢湾とか、近所の家の屋根がそのままUFOのように舞い上がって近くの公園まで飛行したり、建築中の家屋がたくさん倒壊したり、そんなことを思いながら昨年9月に行ったバングラデシュの光景を思い出しました。

雨季になると数メートルも水位が上昇し、国土の三分の一近くが水浸しになってしまします。レンガ工場も田畑も水のなか。でも乾季にはそこに流れた肥沃な土で稲の三毛作をして、泥を焼いて大量にレンガを焼きます。実に自然の営みと一体化した暮らしなのです。

しかし、温暖化やマングローブ林の伐採は、そこに天文学的な人災をもたらしました。巨大なサイクロンによって高潮が起こり、内陸部の奥まで襲う波が数十万単位の人の命を奪ったのです。日本に暮らしていると、その信じられない数にリアリティーを感じることさえ出来ないのですが、自然の猛威ではなく人類の貪欲さが自然を猛々しくしていると考えると、我々は、感傷ではなく客観的かつ有効な行動を取らねばならない時期に来ていると思います。

愛知博の環境モニタリングのウエブサイトのプロデュースをしながら思うことは、心にもない一過性のブームではなく、素養としての環境意識を高めるような地道な努力を科学立国を目指す国として行うべきだと思っています。
※温暖化の問題は「難民問題」でもあるのです。
※わけのわからない多国籍軍に参加するより世界に対する貢献度は高いはず!

雨の日にオススメの本
☆「ツバル―地球温暖化に沈む国」神保 哲生 (著)2100yen

☆「座右のゲーテ齋藤孝著 700yen
※「声に出して読みたい日本語」の著者が書いたポストモダンの迷える子羊への解毒剤。実は大学の先生とかが読むほうがいい本かも(^^)