凍結列島

やっと休日がやってきて溜まった仕事に取り掛かる準備。しかしドイツから作品のクレートが6個も戻ってきたので、スタジオはもうドローイングのスペースしか残っていない。なんとかこれをどこかに引き取ってもらわねばと思いながら、まだまだ改造したいので工場がないかなとため息。工場といえば僕の持論はアートは工場から。じっくり腰を落ち着けてプロダクトを作りこむ場所があってはじめてクオリティイーの高い作品を持続的に生み出すことが可能になる。ナントのロワイヤルデラックスの大道具という名のモンスターアートも、錬金術を生み出す怪しい工場があってはじめて可能になるのだ。
そんな折とても悲しいことが起こった。長年バルーンの制作を引き受けていただいていたサンアドバルーンのKさんがお仕事を辞められるとのこと、あの3ミリでビニールをつなぎ合わせる技はもう誰も引き継げない。そして僕のロボットをいつも作ってくれていた京都のGさんも長年の闘病の果てに天国に召された。情熱とローコストで闘うアーティスト達を支えてくれた愛情あふれるファクトリーの人々が消えてゆく。2007年問題はアートの現場にも否応なくやってくる。そしてネットトレードをしている暇な人間が豊かになって、何も作れない変な日本人ばかりが増えてゆく。
作ることが好きな人間は文明のなかでマリンスノーのように好んで貧しくなろうとするのかもしれないが、いつまで虚世界の増殖が続くのだろうか・・
http://hotwired.goo.ne.jp/original/hamano/051206/index.html