多摩美の情報デザイン学科

の学外展覧会にやってきた。昨年は水戸の森さんと僕、今年は八谷さんも加わって超強力メンバー。学生は厳しくも愛情あふれる批評に耐えようと、学内予行演習までやって万全の体勢で我々を迎え撃ってくれたんだけど、コンセプトを言わねばと焦るあまり、能書きを書いた紙を棒読みして墓穴を掘る学生が多発;;)。言い訳をするとそこを突っ込まれてまた穴を広げてしまうという悪循環で泣く学生も出ていきなりのハイテンション。朝11時から始まって少し昼食をはさんだだけで8時間もぶっとうしのラソン講評会となりました。
そのあと駅前の居酒屋でまたもや終電まで語り明かす。16日も17日もそして今夜も対話に飢えた若い学生達の餌食になって嬉しい。やっぱITとかデジタルの前に人間としてじっくり言葉で話しこむ時間と空間が必要なんだと痛感。どうやって表現やデジタル以前に存在すべき思考力や判断力をつけてゆけばいいのだろうかと悩む。やはり押しなべて今の学生は幼いようだ。僕はたまたま小学校の恩師が江田島兵学校で特攻機に乗る直前で終戦を迎えたというエリートだったせいか、6年で夜中9時まで居残りでユークリッド幾何や音楽の手ほどきを受けた経験を思い出す。しかし隣の組では日教組のガチガチ教師がひたすら体育ばかりやらせてたっけ、たまたま僕は運が良かっただけかもしれないけれど、教養学部が無くなったことや文学部の衰退などが、人間の根底にある言語能力や悟性にまで深刻な影響を与え始めていることを感じざるを得ない・・過去に戻ることなく未来の基礎を構築する難しさ
ついつい話込んでいるうち終電の時間が接近。長男の鶴間にある下宿にもぐりこむつもりで急いで駅へゆくと、タッチの差で電車は去って行く;;あわてて携帯を取り出し、今夜も愛染さんの待つ品川へ向かう。白い息を吐きながらドアを開け早く寝なくてはと焦る僕を尻目に、テーブルのワイングラスには異国のシャンパンがあふれだし、またも時計は午前4時。