茂木さん

以前巣鴨パレスチナの講演をしたときにお誘いを受けていたことを思い出し。雨の中国自動車道をオンボロビートに乗って京都に向かった。最近週末がほとんど仕事で東奔西走(西は少ない;;)していることもあって、木曜が唯一自由な時間なのである。今日は森村さん宮島さんの国際芸術センターオープン記念講演もあるので、それも見ないかと誘われていたのだが、次の打ち合わせがあったので前半少し見て春秋座を辞した。
いつもいかんいかんと思いながら、少し遠出するとなると重なる仕事を一気に片付けようとセコイ根性が頭をもたげてしまう。今日もせっかく京都に行くのだからと山科のコバックに寄って、実家にも寄って、中古のプリウスにも会いに行ってと山のようにエリア情報が脳内空間を駆け巡る。とにかくナビなどという便利なものは愛車には無いので、頭で畿内を把握しつつ、おおまかに走行計画を立てるからいいかげんなものだ。それを大型トラック(三菱じゃないだろうな;;)の水しぶきを浴びながら高速でハンドル握りつつ考えるのだから危ない危ない。
まず堅田(琵琶湖の西岸)にある中古車ショップに行くことにする。京都造形で茂木さんの講義が終わるのが16時なので15時30分ころ着く計画で京都東インターで降りて湖西道路へ向かった。空模様のせいもあるとは思うが、僕は滋賀に入るとなぜか気持ちが沈んでしまう。別段悲しくもないのに山や湖のたたずまいが物悲しげに見えてしまう。長く神戸に暮らし、女子高の坂を下りながら見る瀬戸内の晴れやかな姿に馴染んでしまったせいで何もかもが物悲しげに映ってしまう。久々の湖西を通りながら気を取り直して大学のころ比良や琵琶湖バレイにスキーに行ったことを思いす。すでに紅葉の終わりそうな坂本を通りぬけ、廃墟と化した雄琴を右に見て琵琶湖大橋のたもとに来ると、また巨大な観覧車が朽ちるのを待っていた。
そんな落ちた気分で雨に濡れている水色のプリウスを見たからもっと気分が沈んでしまう;;。やる気なさそうな僕の顔を見たスタッフが「試乗してみますか?」と聞いてきたので我に返って、近くの国道を15分ほどドライブした。「なんじゃこれ普通に走るやん!」。さすがトヨタ定番の腰抜けサスにはうんざりしたけど、音のしない配達車に乗ってると思えば特に不満は無い。それより乗り出し75万というテクノロジーの過激な敗北ぶりに感動して、まあ買おうかなという気分でその場を離れた。白川までの道を聞くと途中トンネル(なんと懐かしい!大学の頃弟と岩魚釣りでボロバイクに二人乗りでよく遊んだ峠)を超えて大原経由で行けるらしい。言われるままに懐かしい道を逆にたどりながら大原を過ぎて土居の柴漬け屋(なんでまずいのにいつも人がいっぱいなんや?)を通り、蓮花寺(お庭最高)を右に見て実家のある三宅八幡をスルーして、あっと言う間に白川に着く。なんとほとんど信号らしきものに遭遇しなかった。いや〜この静けさと寂しさが京都の良さかも。
早く着いてしまったので、途中で講義のお邪魔もできないので空間演出の大野木先生と少しお茶を飲んでから茂木さんと束芋さんに再会。なんだか今までのぼ=っとした空間が嘘のように座が晴れやかになった。やっぱ人に会うのはいいもんだな〜と、たった数時間でタイムとトラベルをしてきたように深呼吸。次々に会う知り合いと挨拶しながら春秋座の一番角に座って開演を待ったのでありました。

※夕食は元田中のモンゴル料理屋さん・・・むむ岩塩でバングラデシュで飲んだブルハ二(塩ヨーグルト)を思い出した;;