911と酷似

何が起こっても・・・

生物を見ればそれぞれが捕食関係にあり、ライオンはシマウマを食い、残りの肉をハイエナが食うことによって生物総体の収支が均衡するような仕組みを維持してきたことがわかる。それを神の意志や自然の驚異という言葉に置き換えることができるのかもしれないが、遺伝子による本能と呼ばれる自動規律の箍を外されてしまった人類は、言葉を用いて自らが絶滅しないための仕組みを、自らが開発しなければならなくなった。
そこで人類は、部族間の衝突を不可避のこととしながらも、出来る限り人的な損失を避けるように一定のルールを築き上げることになる。こうして生まれたのが騎士道であり、武士道という規範であった。婦女子や非戦闘員には手を出さず、国をあげての戦いを城主は自らが命を絶つことによって回避することが戦闘員の美学であり、それが組織の上に立つ人間の誇りでもあった。

なんという悲劇なのか、血で血を洗う民族紛争の犠牲に多くの子供たちを捧げてしまった。貧しい人々を虐げ富をむさぼる大国に、少数民族が非人道的手段で応戦し、報復と復讐の連鎖が世界に飛び火しはじめた。持てる国、富める国が平気で貧しい国の人々を食う。チェチェンはロシアの残虐な対応に抵抗するために、アメリカの育てた悪霊のようなアルカイダを招きいれてしまった。

強いものが弱いものを無制限に食うことなど生物界のどこを見ても無い!ライオンは礼節をわきまえ、決して生態系が破壊されるまでシマウマをむさぼろうとはしない。あの元でさえ、人種や宗教の壁を越えて公平に才能を登用した。安定して平和な王朝を長く続けた国は必ず「公平や公正」を維持するように努めていた。いまほどロシアやアメリカの自制が求められる時は無い。貧富の差を緩和し、公平や公正を可能な限り維持することに努めない限り、いずれ911など比較にならない大きなカタストロフを招いてしまうのではないかという恐怖がよぎる。

http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/culture/story/20011002202.html